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アジャイル推進チームで
標準化とアジャイル人財育成に取組み、
CMMIでスピードと品質を追求する。

伊波 尚志

産業ビジネス二部第一グループ
2012年入社
電子通信システム工学コース卒業
※部署は撮影当時のものです

Question 01

アジャイル推進の取組み概要、参画の経緯を教えてくください。

入社から10年以上、アジャイル型の開発手法(以下、アジャイル開発)のプロジェクトに携わっています。当社ではこれまで、ウォーターフォール型の開発手法(以下、ウォーターフォール開発)を選ぶプロジェクトが大半でしたが、ビジネス環境の変化に素早く対応しながら開発することへのニーズが高まり、ここ1~2年でアジャイル開発を採用するプロジェクトが増えました。また当社では、CMMIを活用したソフトウェア開発プロセスの成熟度向上に取組んでいますが、アジャイル開発のプロジェクトにもCMMIを適用することになり、アジャイル開発のための手引きが必要になりました。 そこで、沖縄と北海道のアジャイル開発経験者を中心に、未経験だけど興味のある人にも声を掛け、2022年1月、アジャイル推進チームを発足。アジャイル開発に興味を持ってもらうための情報発信やワークショップの開催、アジャイル開発の手引きとなるアジャイルマネジメント標準(以下、アジャイル標準)を発行しています。

Question 02

アジャイル推進チームの役割を教えてください。

アジャイル開発の普及に取り組む立場ですが、すべてのプロジェクトをアジャイル開発にすべきとは考えていません。例えば基幹系の業務システムや消費税率改定のような期限も仕様も変更可能性が低い場合は、最初に精緻な計画を立てて、要件通りにシステムを作り、テストで不具合を限りなくゼロにしてからシステムをリリースするウォーターフォール開発のほうが適しているはずです。新しくて流行っているから選択するのではなく、ウォーターフォール開発とアジャイル開発のどちらにも対応できて、目的にあった開発手法を冷静に選択できるようになることが重要だと思います。その為、アジャイル開発ができる人財を増やす事、アジャイル開発を採用しているプロジェクトから生きた情報のフィードバックを受けて、改善点やベストプラクティスをアジャイル標準に反映し、定期的にブラッシュアップしていくことが私たちの役割だと考えています。
またCMMI Lv4を適用する際、アジャイル標準が整備されていることに加えて、統計的かつ定量的分析によって分析評価する仕組みが機能していることが求められるのですが、これについては見積り精度を測ることができる統計モデルを導入しました。データが溜まり始めたので、定量的なデータに基づく計画着地の予測精度を上げていき、課題が何か客観的に判断できるようになることを期待しています。

Question 03

アジャイル開発浸透の取組を教えてください。

ウォーターフォール開発とアジャイル開発はいずれもシステム開発の手法ですが、チームメンバーの役割、エンジニアとしてのふるまいやプロジェクト管理方法が大きく異なります。なので、ウォーターフォール開発の経験が長いほど、開発を進めながら柔軟に変化を受入れるアジャイル開発に対する違和感が大きいのではないかと思います。そこでアジャイル開発を頭で理解するだけでなく、開発手法の違いを体感し、それぞれの優れた面を実感してもらうワークショップを開催しています。

例えば、スプリントという方法で成果物の価値をあげていくワークショップでは、紙で橋をつくるペーパーブリッジというワークを実施しました。ティッシュ箱2つと、A4用紙一枚だけで橋をつくるのですが、最初に10分くらいで作業して、次の1~2分でお互いに見せ合って振り返り、改善点を考えてもらうのを3回繰り返します。最初から30分かけて頑張って設計するよりは、10分区切りで3回やったほうがダメなところが分かって次に活かせ、価値をあげていけることが体感できるという内容です。事前にこのような体験をすることで、アジャイル開発の考え方に抵抗感がなくなれば嬉しく思います。

Question 04

今後について

アジャイル開発は、2001年、当時ソフトウェア開発手法分野で活躍していた17名の専門家によってまとめられた「アジャイルソフトウェア開発宣言(以下、アジャイル開発宣言)」に基づき発展してきました。アジャイル開発宣言に「プロセスやツールよりも個人と対話を価値とする」ことが提唱されています。チームメンバーが同じ場所にいて、膝突き合わせてコミュニケーションしながら一体感をもって開発を進めようということです。私たちもアジャイル開発宣言を採用したチームビルド、チームワークを実践していたので、コロナ禍ではメンバーが離れ離れになりコミュニケーションの問題が如実に現れました。ウォーターフォール開発のプロジェクトよりも、影響は大きかったのではないかと思います。ただ、影響が早々に分かった分、迅速に対応を開始することができ、リモートアジャイル開発のナレッジも蓄積することができました。こういったナレッジを社内外に発信して、エンジニアがハッピーに開発できる世界を目指していきたいです。

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