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2025.06.12 | スタッフブログ
「CloudNative Days Summer 2025」に参加してきました!

こんにちは 。第一ビジネス部の高田です。
2025年5月23日(金)に沖縄県市町村自治会館で開催された [CloudNative Days Summer 2025](https://event.cloudnativedays.jp/cnds2025) に参加してきました。
本イベントは、クラウドネイティブ技術に情熱を注ぐエンジニアたちが一堂に会する国内最大級の技術カンファレンスです。今回は沖縄県での開催ということもあり、沖縄で働いている入社2年目の仲本さんと共に参加してきました!


フォトブースでの仲本さんと高田

今年のテーマは 「Passion 〜CloudNative に熱中する〜」で沖縄の青空の下、現地とオンラインのハイブリッド形式で開催され、全国から多くのエンジニアが集まりました。セッションはKubernetes、SRE、Observability、生成AIなど、今注目の技術トピックが目白押しで私たちも朝から夕方まで、熱量の高いセッションにどっぷり浸かってきました。

当日朝のブースの様子

イベント参加者がどこから来たかボードで可視化されていました

印象に残ったセッション

本イベントに参加して仲本さんと私が印象に残ったセッションをそれぞれ紹介します。
仲本さんが印象に残ったセッションが以下の3つです。

「クラウドネイティブをRPGにたとえて解説!」(Keita Nakataさん)


クラウド初心者にとって非常にわかりやすいセッションでした。題名にある通りRPGに例えての解説でした。スライド内容が非常に凝っていて本当のRPGゲーム画面のようでした。動的なスライドを見ていると、一緒にクイズ(冒険)を進めていくような感覚があり、非常に面白かったです。 セッション後、スピーカの方と会話しましたがクラウドデザイン作成ツールであるCanvaとOpenAIを利用したSORAを用いてスライド作成したとのことなので、今後私も挑戦してみたいと思います。

Google のソフトウェア開発における生成 AI 活用とGoogle Cloud での実践(Yuki Iwanariさん)


「どんなにコードを生成してもそれに対してのレビューについてはコストがかかる」という課題とそれを解決するための手法について説明していました。単にAIがコードを生成するだけでは意外と生産性は上がらないし、むしろレビューや検証コストがボトルネックになるという課題があるということが分かりました。Googleはこの課題に対し、構文解析やステップ分割、ファインチューニングといった技術的・運用的な工夫を掛け合わせることで、コード生成からマージまでのプロセスを現実的に運用可能な形へ落とし込んでいました。実際にYouTubeなどの製品においても、コードの進化と安定運用が並走している点に納得感がありました。

オンプレからクラウドへ。大規模なAWS移行を支えたリアーキテクチャプロジェクト達(Koichi Uchinishiさん)


オンプレミスからクラウドへの移行とモノリスなシステムから特定のドメインをサービスとして切り出した取り組みについて説明いただきました。モノリスなシステムからの機能切り出しは 一見シンプルに見えても、実際にはビジネス要件・組織体制・技術的制約など多くの障害が存在することが分かりました。マネーフォワードクラウドでは2度の失敗を経て、3度目の挑戦で「体制の強化」と「スコープの最適化」によって機能の分離に成功したみたいです。他社の「うまくいかなかった話」はなかなか聞けないことだと思いますし、失敗⇒振り返り⇒成功の流れは非常に良い教訓になるなと感じました。

私が印象に残ったセッションは以下の3つです。

「クラウドデータ基盤で切り拓く沖縄DXの可能性」(Nagamasa Ohamaさん/Hayato Enokawaさん)


沖縄出身としてこのセッションに参加し、地元の課題が非常に丁寧に整理されていたのが印象的でした。観光業に強みがある一方で、人口減少や産業の偏り、人材不足といった構造的な課題がDXの必要性を後押ししているという話には強く共感しました。クラウドデータ基盤を活用することで、限られたリソースでも段階的にDXを進められるというアプローチは、現実的かつ前向きな提案だと感じました。また、エンジニアとして地域にどう関わっていけるかという視点の共有もあり、自分自身の立場から何ができるかを考えるきっかけになりました。

「さくらのクラウドにおけるCloudNativeのいまとこれから」(Satoshi Tagomoriさん)


このセッションでは、さくらインターネットが進めるガバメントクラウド対応への取り組みが中心に紹介されました。セキュリティや運用要件など、公共分野で求められる厳しい基準に対して、国産クラウドとしてどう応えていくかという姿勢が伝わってきました。特に印象的だったのは、「クラウドが当たり前ではない現場に、クラウドの体験を届ける」という言葉 です。地方自治体や公共機関にもクラウドネイティブな選択肢を提供しようとする姿勢に、強い意志を感じました。外資系クラウドが圧倒的な存在感を持つ中で、国産クラウドが信頼性と柔軟性を武器にどう立ち向かっていくのか?その挑戦を応援したくなるセッションでした。

「情熱と工夫で走り抜け!コミュニティをささえるObservability実践録」(Inoue Sachirouさん/Taisuke Okamotoさん)


CloudNative Daysの裏側で限られたリソースの中でも安定したイベント運営を支えるObservabilityチームの取り組みが紹介されたセッションでした。監視基盤の変遷や、自前運用で直面した苦労など、実際の現場での試行錯誤がリアルに語られていて非常に引き込まれました 。特に印象的だったのは、「費用対効果」ではなく「運用負担対効果」で技術を選ぶという視点 です。コミュニティ運営ならではのリアルな判断軸に共感しました。自分も技術コミュニティの運営をボランティアでお手伝いすることはありますが、 ここまで技術で“支える側”に回っている姿勢には強く惹かれました。今後はSLO運用やOpenTelemetryの導入も視野に入れているとのことで、単なる監視にとどまらない“本質的なObservability ”の実践に、今後ますます注目したいと思います。

イベントに参加しての感想

私は普段、オンプレミス環境での業務が中心でクラウド技術に触れる機会はほとんどないのですが、そんな自分にとっても「CloudNative Days Summer 2025」 はとても新鮮で刺激的なイベントでした。セッションの内容もさることながら、普段の業務では得られない視点や考え方に触れることができ、非常に有意義な時間を過ごせました。中でも印象的だったのは、イベント運営側の方々による「裏側トーク」です 。準備の大変さやトラブル対応の話など、普段は見えない部分にこそ、このコミュニティの熱量や思いが詰まっていると感じました。

また、一緒に参加した仲本さんが、わからないことをその場で調べながら真剣にセッションを聞いていた姿勢にも感銘を受けました。イベント後に「いつか自分も登壇してみたい」と話してくれたのがとても嬉しく、こうした前向きな気持ちが広がっていくのは素晴らしいことだと思います。
技術イベントは楽しい反面、最初の一歩を踏み出すハードルが高いと感じる人も多いはずなので、今後も社内でも積極的に声をかけて、こうしたイベントに興味を持ってくれる仲間を増やしていきたいと思います。

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