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2025.10.15 | スタッフブログ
「Snowflake World Tour Tokyo」に参加してきました!

こんにちは 。事業統括部の宮城です。
9月11日(木)、9月12日(金)にグランドプリンスホテル新高輪で開催された 「Snowflake World Tour Tokyo」に第一ビジネス部の工藤さんと、原田さんと一緒に参加してきました。
※宮城は9/11のみ現地参加、9/12はオンラインでキーノートのみ視聴
Snowflakeはクラウド上で大規模データを高速かつ柔軟に、かつシンプルに扱えるデータプラットフォームです。
私たちのお客様でも導入・利活用が進んでおり、今後私たちの更なる価値発揮、新たな提案のヒントを得られることを期待して参加しました。

本イベントは、Snowflakeが主催するデータ・AI分野のグローバルイベントの日本版です。
Snowflakeの最新機能の紹介や、国内外の導入事例の共有が行われてました。
様々なセッションが開催されていましたが、特にAIの導入事例は人気が高かったように思われます。

Snowflake World Tour 2025 – Tokyo


以下、印象に残ったセッションです。

Snowflakeにおけるコスト管理とパフォーマンスの最適化 (宮城)

Snowflakeのコスト管理とパフォーマンスを最適化する新手法の紹介セッションでした。私たちのお客様のSnowflake利活用に伴い、コスト管理・パフォーマンス最適化が大きな関心事になっていくことを予想し受講しました。本セッションでは「可視化・コントロール・最適化」の3つの視点から新機能の紹介がされていました。特に印象に残った機能を以下に紹介します。

・組織単位での可視化が可能に
これまでアカウント単位での可視化のみだったのが組織単位でも可視化できるようになったという機能紹介でした。私たちはオンプレ環境で既に組織単位での可視化を進めており、そのノウハウがクラウド環境でも活用できそうだと感じました。

・コスト管理に特化した権限の付与が可能に
これまで、リソース等の情報を取得するには強力な管理者権限が必要でした。本機能はそのような課題を解消するために、新たに「あらゆる情報の参照はできるが操作はできない権限」を付与できるようになったとのことでした。私たちのオンプレ環境におけるコスト管理の取り組みにおいても、情報収集に強力な管理者権限を用いており、意図せぬシステム変更がおこらないよう安全面に考慮した開発が必要でした。このような機能が業界標準になれば、モニタリングのための開発や運用がよりシンプルかつスピーディーになっていくだろうと感じました。

・タグベースでの予算管理が可能に
データやクエリにタグを付与することで、タグ単位での予算管理が可能になったとのことでした。近年はタスクフォースや協業など、組織を跨いだプロジェクト運営が増えており、個人や組織だけでは実態を把握できない課題を感じており、本機能はそういった課題に対する1つの解になりそうだと感じました。

・無駄なコストが発生しているクエリを自動的に特定、具体的な改善案の提言が可能に
AIを活用した今時らしい機能だと感じました。SQLに関する高度な知識がなくともパフォーマンスの改善が可能になるという触れ込みでした。私たちのお客様においても、メンテナンスができなくなったクエリについてこの機能が活用できれば、直面しているコスト課題が幾らか解消されることが期待できそうです。ただし、AIが提言した改善案を誰が承認し、リスクをとるのかといった運用面の課題は整理が必要そうです。

あらゆるデータをつなぐ。Snowflake Openflowで実現する統合パイプラインと相互運用性 (宮城)

Snowflake Openflowの概要紹介のようなセッションでした。私たちは既にSnowflake Openflowの基となっているApache NiFiを活用して、データパイプラインをはじめとする様々なサービスや機能を構築、お客様へ提供しております。未来のSnowflakeへの機能移植・展開を見据えて、また、Snowflake環境でも更なる価値を発揮するためのヒントが得られることを期待して本セッションに参加しました。
結果として、すでにNiFiをある程度使いこんでいる私たちにとって新たな情報は得られませんでした。NiFiの運用面で課題を感じている身としては、Openflowの運用性の面が気になっていましたが、そのような情報は得られませんでした。
※その後、Openflow関連の情報を提供しているブースにも幾つか足を運んでみましたが、新しく持ち帰れるような情報は得られませんでした。私たちの取り組みがデータエンジニアリングの業界を通してみても後れを取っていないものであることが実感できました。

Cortex AI(LLM)×Streamlitで進化するお客様満足度調査の分析高速化 (工藤)

Panasonic株式会社の、Snowflake CortexとStreamlitを用いたアンケート分析の取り組みについて紹介されていました。
Snowflake Cortexは、LLM(大規模言語モデル)を活用したAI機能で、非構造化データからの自然言語を用いたデータ抽出が可能となります。そこにPythonでのWebアプリケーション構築が可能なフレームワークであるStreamlitを組み合わせることで、対話型AIで自由記述のアンケートの要約や分類、分析が可能なアプリケーションを作成した事例でした。お客様満足度アンケートのデータ分析の高速化や精度のばらつきが改善されたとのことでした。また、AIによる客観的な分析の方が、アンケートのフィードバックを受け入れられやすく、フィードバックにかかる時間も短縮されたというのが面白いと感じました。

データドリブン創薬加速を目指したデータ統合・解析基盤 (工藤)

中外製薬のSnowflakeを活用した研究データの蓄積と分析の事例について紹介されていました。専門性と多様性の高い創薬研究データの解析にかかる労力低減と機会損失の最小化を目指し、社内外の研究系データを統合し、スケーラブルかつ統一された環境で解析・可視化・共有が可能な基盤「dPROACT」が紹介されていました。また、その分析基盤を利用するスキルを身に着けるためのデジタル人財育成プロジェクト「PyZAP」もセットで進めることで、研究所レベルでのDX加速を実現しているとのことでした。基盤構築だけでなく、研究員のスキル育成も併せて行っているということが重要な点だと感じました。私も学生時代に生化学系の研究を行っており、研究データの分析の難しさを実感していたため非常に興味深いセッションでした。

日本アクセス×日清食品HDが語る-小売・食品業界におけるデータドリブン経営と顧客価値向上への取り組み (工藤)

食品卸売会社である株式会社日本アクセスのSnowflakeによるデータ分析事業が紹介されていました。小売企業が保有する様々なデータを分析するAIプラットフォームを構築し、利用客の購入履歴に基づく売り場計画や、AIによる購入が見込める商品の予測を行うことで、売上や購入率の向上につながる提案が可能になっているとのことでした。不勉強ながら、卸売会社がデータ分析サービスの提供を行っている事例を知らなかったため、驚きと同時に非常に魅力的な取り組みだと感じました。


現地では福引コーナーがありました。福引はセッション参加等で獲得したポイントに応じて複数回引くことができました。こちらは宮城が福引で獲得した景品たちです。他にはTシャツやパーカー、スノーボードなどの景品がありました。

イベント全体を通して

他にも事例紹介のセッションやブースにも足を運びましたが、全体を通して「AIのためのデータ整備」という旨のメッセージが印象的でした。これまで私たちは利用者中心のデータ整備を進めてきましたが、さらに一歩踏み込んだデータ整備の必要性を感じました。「AI中心のデータ整備」を進めるにあたっても、私たちのようなデータエンジニアリングの領域は必要不可欠であり、今後益々価値が高まるだろうと感じました。また、NiFiの取り組みがそうであるように、今後データビジネスがクラウド環境に移行しても、私たちがオンプレ環境で培ってきたデータエンジニアリングの知識や技術の価値は、衰えるどころか益々高まるだろうと感じました。

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