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藤島 誠一
Nearshore Development&Operations 担当取締役
総務省の統計情報(2015年調査)によると、全産業における就業者割合は、首都圏(東名阪および近県)と、それ以外の地方で、およそ半々です。ところが情報通信産業に限っては、首都圏に7割が集中している状況です。地方にも当然ですが優秀な人財が沢山います。しかし、付加価値の高い仕事が首都圏に集中する業界構造が続いてきた為、地方の価値を出せず、優秀な人財は東京へ流出してきました。 ITは本来的には場所を選ばずにできる仕事です。私たちは、賃金格差により低コストを追求するよりも、高付加価値型のニアショアダイレクトモデルを実現することで、私たち自身の手で地方の未来を拓いていけると考えています。だからこそ、地域人財の採用・育成、首都圏のお客様とのダイレクトな取引、ミッションクリティカルなシステムの開発にこだわってきました。 お客様に品質と生産性の高いシステム開発サービスを提供するために、首都圏と同等以上の品質と生産性を実現することが重要と考えています。
弊社では、より良い品質と生産性を組織として実現、再現するために、CMMIに基づきソフトウェア開発プロセスの成熟度向上に取り組んでいます。2013年にはCMMI Lv3を達成、2016年にはCMMI Lv4を達成し、以後、開発プロセスのブラッシュアップを続けています。 CMMIでは、開発プロセスの改善を主導するコアチームをソフトエンジニアリングプロセスグループ(以下、SEPG)と呼びます。成果物の品質向上、開発コスト削減と生産性向上、スケジュール順守と納期遅延防止など実効的な開発プロセスとなるよう、プロジェクトマネージャーや管理職を中心にSEPGを組成しています。SEPGでソフトウェア開発プロセス標準を作成し、プロジェクトマネージャーや管理職がプロジェクトに展開。それに基づく開発実績を分析・評価してSEPGにフィードバックし、プロセス標準に反映するサイクルを回すことでプロセスの成熟度を上げています。ウォーターフォール型やアジャイル型など、開発手法ひとつとってもプロジェクト特性は異なるので、いくつかのプロセス標準を作成し、プロジェクト活動の結果をフィードバックすることで個々にテーラーリングを行っています。
CMMIは、ソフトウェア開発のプロセスレベルを5段階に定義します。Lv3では、プロセス標準を策定することが求められます。Lv4からはプロセス能力を計測・制御することが求められるため、プロジェクトの結果から収集するデータをもとに統計的分析と定量的分析に基づく評価の仕組を構築します。Lv4まで開発プロセスを成熟させるハードルは決して低くはないのですが、次に何をするか決定する場面で、感覚に頼らず、定量的な材料をもとに判断できるようになり、成果物品質が上がっていくのを実感しています。3年に1度、外部審査を受けて、取り組みの健全さを測っていけるのも良いと感じています。 首都圏の企業で行われているようなレベルの高い仕事にニアショアで携われるよう、今後もCMMIの活動を土台に付加価値向上に粘り強く取り組み、システム開発事業をさらに高めていきたいと考えております。